それは、入梅した頃のある夜のことでした。 インターネットで「寒川のこと」を知りました。 神話街道の旅を通じて、山の暮らしを断片的に見ていたこともあり、 食い入るように記事を読みました。 「限界集落」というキーワード。 山深い日本に横たわる問題が、まるで目の前にあるかのように 感じられました。 日差しの照りつける中ようやく辿り着いた寒川の集落は、 生き物たちの声や風の音に包まれて、とても賑やかでした。 途中、湧き出る山水に癒され潤され自然の恵みを感じ、そ こに添えられたコップが風に揺れるのを見て、人の温かみ に思いを馳せました。 集落の息遣いを少しでも感じられるようにと行った今回の 旅でしたが、「限界」と呼ばれた集落を包み込む豊かさと いうか、自然の恩寵を感じずにはいられませんでした。 道端で繰り広げられる昆虫たちの生と死を、ただひたすら 何度も目の当たりにし、木々の輪廻を見ては自らの生き死 にをも考えを巡らせました。 |